新京成の顔

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[2014/2/22]


千葉北西部を走る新京成電鉄は、常磐線と接続する松戸と京成津田沼を約40分で結んでいます。
正式名称は「新京成電鉄新京成線」ですが、地元では専ら「新京成」と呼ばれ親しまれています。

親会社の京成電鉄よりも経営状態は良く、運賃も千葉県の私鉄の中では随一の安さを誇ります。
全線通しでも250円ですが、新京成を端から端まで通しで乗る人は滅多にいない。
最寄り駅から他線の乗り継ぎ目当てで乗車する人が大半で、乗客の入れ替わりも早いためか列車は全て各駅停車です。



新京成は線路が極端にぐにゃぐにゃ曲がっているから、起点から終点まで行くのに時間がかかります。
旧陸軍鉄道連隊の演習線跡を利用して線路が敷かれたので、演習のための意図的な急カーブがそのまま残った。
このうんちくは、高校の日本史教科書にも載っているらしいです。


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今の新京成の主力車両は、VVVFの先駆けといわれる8800形。86年にデビューした形式です。
阪急を思わせる洗練されたデザインと、当時珍しかったVVVFインバータ制御をいち早く採用しているのが特徴。
本格通勤電車(1500V)としては世界初であった。
当初は最初期VVVFの豪快なモーター音でしたが、後の純電気ブレーキ化でソフトが変更されて音が変わってます。


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近年、8800形は編成によって外観のバリエーションが増えました。
2006年から開始した京成線直通対応の編成は帯が新しくマルーン色に塗り直されましたが、新京成内でのみ使われる編成はオリジナルの茶帯のまま。
傷んできたドアを交換した編成もあり、簡略化のためかドアに帯が塗られていない編成もあります。
現在ドア帯が残っているのは僅か3編成のみですが、個人的にはドア帯付きの編成を残して欲しいなと思います。


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8800形がVVVF電車の始祖なら、続く8900型はシングルアーム式パンタグラフ搭載車の始祖。
今では当たり前となった、シングルアームのパンタグラフを日本で初めて採用しています。
幼い頃は茶色いカラーのせいか古ぼけて見えた新京成は、実に先進的な鉄道会社でした。


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急カーブが多い新京成。列車は常に車輪を軋ませて走りますが、速度はあまり落とさずに難なく走行します。
駅間距離が短く、加速減速も激しいので猛烈な走りっぷりを見せてくれます。
線路自体が台地の分水嶺に沿っているためトンネルや川を渡る橋が一つもなく、雨風で運休になったりすることも滅多にありません。


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78年デビューの最古参8000形は、その独特の顔つきから「くぬぎ山の狸」という愛称がついています。
長年に渡り主力として活躍していましたが、新型車導入や編成短縮化・老朽化に伴い少しずつ数を減らしてきました。
現在残っている8000形は僅か4編成。
初期の抵抗制御車や界磁チョッパ車は消滅し、VVVFインバータ制御に改造された編成のみが残りました。
これによって新京成の車両は全てVVVF制御車に統一となり、先進性の健在さを見せ付けています。


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既に引退済みの800形も好きでしたが、新京成らしい個性が前面に出てるのは8000形&8800形かなと。
特に8000形は新京成のシンボルだし、これからもしぶとく残っていてほしいです。


コメント

  1. 匿名 より:

    最近このブログを見つけて楽しく読ませてもらってます。
    自分も鉄道旅行に興味のある大学生で近々初めての鉄道旅行の計画を立てています。
    鉄道旅行をするにあたって何か注意すべき点とかあったら教えてくださるとうれしいです!
    あと気になっていたんですけどPink16さんは一人で旅をすることのほうが多いのですか?

  2. Pink16 より:

    こんばんは、更新少ないのに読んでくださってるなんて嬉しいです。

    初めて鉄道旅行されるのですか?そうしますと、鈍行の場合時刻表が不可欠ですね。
    行く路線とルートを決めたら、時刻表と睨めっこして計画を立てるのが一番楽しいとき。
    時刻表は常に手元にないと困るので、見易さと携帯性を備えたコンパス時刻表がおすすめです。

    鈍行旅行は専ら気力勝負!といいたいところですが(笑)、何より綿密な計画が一番重要です。
    18切符で無軌道なぶらり旅は逆に難しい。行き詰ってしまうパターンがほとんどだと思います。
    特にローカル線は本数が少ないですし、各駅での乗り継ぎを最優先しなければなりません。
    目当ての列車に乗り継げなかった場合の二次行程も考えておくと、万が一のとき役に立ちますよ。

    地方の路線は意外なところで混雑するので、始発駅には出来るだけ早くいた方が確実に席をとれます。
    仮に空いてそうな時間帯でも、10分前とか発車寸前に乗り込むと全席埋まってたりするので要注意です。
    観光は程ほどにして、待ち時間を十分にとって確実に列車を乗り継いでいくのが手堅い方法ですね。

    はい、基本一人です(笑)。
    鈍行旅行は単独の方が融通がきくし途中でルートを変えたりして色んなところへ行けます。
    親しい友達と行くのも良いと思いますよ(^^)。

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