[2012/12/7]
少し前から登山に興味があったのだが、まず何処へ行こうか迷っていた。
東京近郊で調べてみると、丹沢にある塔ノ岳が良さそうだったので、いざ行ってみることにした。
塔ノ岳の最寄りは、小田急の渋沢駅(と秦野駅)だ。
ロマンスカーなら新宿から一時間弱で行けるところだが、残念ながら渋沢駅には停まらない。
ということで、今回は小田原行きの急行電車で向かった。
小田急線 [新宿~渋沢]
塔ノ岳は、丹沢山地の南部にある標高1491mの山である。
東京からすぐに来られる場所なので登山客は多く、眺望も良いらしい。
標高差は約1200mあり、初心者が手堅い登山をするのに最適な場所だという。
片道約3~4時間の本格的な登山であるが、装備は至って軽装だ。
グレゴリーのリュックに防水ウェアを着ているが、足元は普段用のスニーカーである。
ただ、ここの山はスニーカーでも十分登山は可能ということらしいので登山靴は用意しなかった。
塔ノ岳登山 [鍋割山~塔ノ岳]
塔ノ岳へ登る登山道はいくつかあるようだが、一番ベターといわれているのが大倉尾根だ。
通称「バカ尾根」。バカみたいに登りが延々と続くことが名前の由来らしい。
このバカ尾根を往復で行ってもよかったが、それでは単調であまり面白みがない。
すると表尾根ルートの左一方に鍋割山を経由して行くルートがあったので、上りはそちらのルートで行くことに。
大倉尾根ルートの最寄りである渋沢駅からバスに乗り、約20分で登山口バス停へ到着。
午前9時30分、準備運動を入念に行ってから早速登山へ向かった。
登山口バス停からしばらくは舗装路を進んで行く。
やがてしばらくすると未舗装の道に入り、鬱蒼とした山の中へ入る。
鍋割山経由のルートは、最初は平坦な林道らしく急な登りはほぼない。
大倉尾根の場合、最初から既に登りだというからキツイのだろう。
長閑な山道は、奥へ進むごとに少しずつ険しくなってきた。
鍋割山頂上まで3分の1くらいに差し掛かると、道は急な登りに転ずる。
今まで平坦だった分、ここからキツイ道が続くのだろう。
軽装ではあるが、普段マラソンしてるし体力はそれなりに自信があるのだ。
しかし、予想以上に容赦ない登りの道に足が悲鳴を上げる。
「また登りかー」と嘆くのが聞こえてきた。
喘ぎながら階段を登ってると、左手に少しずつ眺望が開けてきた。
鍋割山頂上まであと少しだ。
キツイ道を延々と登り、ひとまず鍋割山頂上に到着した。
標高1273m。視界は良好で、富士山も見える。
小休止した後、今度は塔ノ岳へ向かう山道へ。
ここからは屋根伝いに道を進んで行く。
今まで天気は良かったが、ここにきて急にガスが出てきた。
あっという間に視界が悪くなってしまう。
やがて13時に、ガスったまま塔ノ岳頂上に到着となった。
さっきは晴れていたのだが、タイミングが悪かったな。
ガスが治まる気配はないが、視界が見えない分幻想的な風景が広がる。
頂上は風が強く吹いていて寒い。温かいお茶を飲んで体を暖めた。
登頂の余韻に浸った後、キリのいいところで下山開始。
復路は大倉尾根伝いに道を下っていく。
なるほど、バカ尾根というだけのことはある。
平坦な道が一切なく、ずっとずーっと下りの道が続いているのだ。
頂上から下るごとにガスが引いて、少しずつ周囲の景色が見えてきた。
ガスの中を抜けたようだ。自分のすぐ上には分厚い雲があり、その下には街が見える。
山の上でしか見れない、独特の神秘的風景に感動する。
最初は景色が開けていたが、ゴールまで半分ぐらいになると鬱蒼とした森林に入る。
しかし下りが続くのは相変わらずだ。屋根を伝っているのを身体で実感することができる。
ずっと下っているうちに、足が笑い出した。
しかしここで休むとペースが落ちそうなので持ち応えながら進む。
今日は12月初めなので、紅葉の跡があちらこちらで残っていた。
時刻は15時過ぎ、道は舗装路に変わり登山口に到着する。
足はヘトヘトだ。そのまま舗装路を辿り、帰りのバスの並び列に大人しく並んだ。
・コースタイム [大倉登山口9:30~鍋割山12:00~塔ノ岳13:00~大倉登山口15:10]
思った以上にペース早めで表尾根を下ってしまったため、登山後一週間ぐらいは筋肉痛が続いた。
こんな手堅い登山をしたのは初めてだ。登山ブームも活況なのか、
自分と同じ若い世代の人がいたから安心できたし、登山を本格的にやってみようと思うきっかけになった。
それで後には夜行ムーンライトでアルプス登山に行ったが、次は富士急行に乗って富士登山へ行きたい。
乗り鉄たるゆえ、登山まで行く道のりはあくまで鉄道(とバス)。
専ら公共交通機関に拘っていこうと思う。