北総線から「空」の世界へ

「スカイアクセスと成田空港」

[2014/7/8]


北総線は、高砂から千葉の下総台地を西から東へ横切る通勤路線だ。
京成グループに属する北総鉄道によって運営されている(以前の社名は「北総開発鉄道」だった)。

今回は北総線に乗車し、新たに購入したデジカメのテストも兼ねて成田空港へ行ってみることにした。


北総線


北総線は千葉ニュータウン開発とともに建設された路線だが、様々な事情が重なりニュータウンの人口は思うように増えなかった
鉄道会社の目論見(34万人)を遥か下回り、結果的に約4分の1(9万人)に留まってしまう。
この千葉ニュータウン開発の失敗によって北総線も衰退の一途を辿った。
昔は新幹線(成田新幹線)や別の高速鉄道を走らせる計画もあったらしい。

北総線は昔から様々な鉄道会社(京急・京成・都営)が直通で乗り入れており、数社の路線を跨いで相互直通運転が行われている。
この相互直通区間を全て継ぎ足すことで、「羽田~成田」を繋ぐ空港連絡路線ができあがる。
羽田空港から京急~浅草線~京成~北総線~スカイアクセスを経て成田空港を結び、一大ルートを形成してるのだ。


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「千葉ニュータウン鉄道の名物車両”C-Flyer”」


少し前までひなびていた北総線は今、羽田~成田を結ぶ重要ルートとして機能している。
2010年に成田スカイアクセスが開業してから、北総線は全区間においてスカイアクセスと共用になった。
このスカイアクセス線の開業によって、北総鉄道が莫大に抱える借金は少しずつ返済されているという。

北総線の常識外れに高い運賃はよく知られているが、やがていつか安くなる日がくるのかもしれない。


北総線 [東松戸~新鎌ヶ谷]

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まずは武蔵野線に乗って北総線と接続する東松戸へ来た。北総線のホームは高架の上にある。
ホームに着いて最初にやってきたのは、個人的に大好きな都営5300形。
バブル全盛に製造された豪華な車両だが、お洒落なデザインに反してモーターの音が”エグイ”ことから、鉄オタの間では「白い悪魔」と呼ばれている。



床下がビビるほどの爆音で一般客には気持ちのいいものではなさそう。
不協和音だらけの音で、不安を煽ってくる面白い音色で個人的には好きだ。


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松飛台で一旦降りて、普段滅多に乗らない北総線の車両を観察。
しばらくすると、対向ホームに北総所有の7500形がやってきた。
「ゲンコツ電車」として親しまれた7000形の置き換え目的に製造された車両だ。


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北総の列車が去ると、今度は京成の「スカイライナー」が高速で通過した。
スカイアクセス開業に合わせて製造されたAE形だ。最高時速は160Km!
この車両の登場によって、京成の空港速達サービスは世界レベルに達した。
デザインが素晴らしくスカイアクセスのシンボル的存在といえる。


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松飛台は撮り鉄的に有名なスポットらしいが、今は誰もいない。
後発の普通列車が来たので再び乗り込み、二駅先の新鎌ヶ谷で下車した。


成田スカイアクセス (アクセス特急) [新鎌ヶ谷~成田空港]

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新鎌ヶ谷からは、成田スカイアクセス線に直通する「アクセス特急」に乗り換える。
特急とはいってもスカイライナーとは違い特急料金は不要だ。
車両は普通列車と同じもので運行されている。

アクセス特急に使用されている車両は京成・京急の列車だ。
今回は京急の赤い電車がやってきた。


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印旛日本医大を出ると、列車は成田スカイアクセス線に入る。
モーター全開で突っ走り印旛沼の横を抜けると、間もなく成田湯川に着く。
成田湯川から先のところで成田線と合流し、断続的なトンネルを進むと成田空港はもうすぐだ。


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やがて、アクセス特急は終点の成田空港に到着した。
改札を出たところで手荷物検査を受け、いざ空港ビルの中へ!

成田空港はほぼ初見なので、とても新鮮な気分だ。


成田空港

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広大な成田空港ロビーは初めて目にした。
国際ターミナルだけあって国内ターミナルとは雰囲気が全然違う(そりゃそうだ)。

私の目当ては飛行機なので、旅客機を間近で見られる展望デッキへ向かう。


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案内を見ながら構内を進み、屋上の展望デッキへやってきた。
様々な航空会社の旅客機がところせましと並ぶ(すごい密度!)

目の前で飛行機がバンバン飛んでいく様は、圧巻の一言だ。


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飛行機を見に来るなんて幼稚園のとき以来だ。
小さい頃から乗り物好きだったらしく、父によく連れられて見に来てた記憶がある。


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旅客機の王者といえば、この「ジャンボ」ことボーイング747だ。
国内線では退役済みだが、海外では今も主力として活躍している。
迫力の大型機体とエンジン4基。旅客機といえばコレだと思う。


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現在の国内線は、次世代双発機ボーイング777や中型機ボーイング767などが主力だという。
経済的問題や旅客数減などが要因でジャンボは国内線から姿を消していた。
大量輸送の時代はもう終わったらしい。


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日が暮れかけた頃に、今日一番のお目当てであるエアバスA380が登場した。
これが見たかった!成田空港には一日数機だけやって来るという。
世界最大の超大型旅客機で、オール二階建ての図太い機体が特徴だ。

しかし重そうだな……あんな巨体が空を飛んでいくんだからすごい。
巨体をゆっくりと持ち上げ、タイ航空のエアバスA380は成田から飛び立っていった。


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念願のエアバスA380も拝めたということで、アクセス特急に乗り早々に帰路に着いた。

東松戸や新鎌ヶ谷からなら僅か30分台で「空」の世界へ行ける!運賃は片道910~940円だ。
航空趣味は手を出したことがないが、たまには空のロマンに浸るのもいいなと思った。

(完結)

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