秋葉原~御茶ノ水を歩く

「徒歩10分で見れる怒涛の鉄道遺産」

[2014/10/17]


私は通学帰りによく秋葉原~御茶ノ水近辺に訪れる。
オタク街~学生街を跨ぐこの区間は、専ら「鉄」にとって聖地のような場所だ。
神田川沿いに歴史の深い橋梁が立ち並ぶ様は圧巻であり、観光で来る外国人も多い。

今回は、この秋葉原~御茶ノ水間の徒歩ルートで見られる鉄道遺産を取り上げてみよう。


秋葉原~御茶ノ水


秋葉原~御茶ノ水近辺は鉄道がこれでもかと密集し、地上を走るJR線と地下鉄が網の目の如く交差している。
一般的に鉄道路線は、歴史が深いほど低く浅いところを走り、また歴史が浅いほど高く深いところを走る
その鉄道建設で不可避となる法則をダイレクトに感じられる箇所が、御茶ノ水駅東側での4路線交差地点だ。
中央線と総武緩行線に加え、地下鉄の丸の内線と千代田線の4路線が一挙に交わり、地上ではまるでジオラマのような風景が展開している。
ここは有名な鉄道名所の一つで観光案内や広告などでもよく取り上げられるから、知ってる人は多いだろう。

この4路線交差地点からさらに東側では、総武線の圧巻な二つの鉄橋に加え、中央線の重厚な煉瓦づくりの高架橋を見ることができる。
歩行時間僅か10分のうちに、日本を代表する鉄道遺産を一気に見れるのだから鉄にはたまらない場所だ。

徒歩10分とはいえ、これも一応「旅」に含まれるかもしれない。
夕方、秋葉原で山手線を降り、人混みに流されながら駅前を出た。


万世橋交差点

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まず秋葉原の電気街口を出て、少し南にある万世橋交差点まで来た。
日本一のオタク街「秋葉原」を象徴するのが、ここ中央通り沿いの風景だ。
この通りの上を横切っているのが、総武線のガーダー橋「御成街道架道橋」である。
表通りには大体いつもメイド姿の売り子がいて、ティッシュや広告や何やらを配っている。

高校まではゲームに没頭してたから、秋葉原はよく物色しに来ていたなー。


万世橋高架橋

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万世橋交差点のすぐ横には、約300年以上の歴史を持つ万世橋が架かっている。
ここ万世橋からは、中央線の前身である甲武鉄道が建設した「万世橋高架橋」を眺めることができる。
この重厚な煉瓦の橋上には、かつての中央本線の終着駅「万世橋駅」があったという。

中央本線の長い歴史の中で、万世橋駅は1912年から7年の間、同線の終発着駅として機能した。
しかし、1919年に東京まで延伸開業がされると中間駅となり、ターミナルとしての役割を譲る。
やがて昭和に入ると乗降客が見込めないために廃止され、その跡地には交通博物館が建てられた。
現在は交通博物館が移転したため、飲み屋やカフェなどで構成される商業施設として使われている。


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万世橋交差点から、しばらく国道17号を西へ進んでいく。
表通りは綺麗なものだが、裏通りに入るとごちゃごちゃ店がひしめき合う秋葉原。
そして裏通りにおいてもメイド姿の売り子が沢山いて、カフェやクラブや何やらの勧誘をされる(笑)
特に自分みたいに一人でブラブラしていると、積極的に勧誘されやすいので注意が必要だ。

ちなみに、メイドカフェに私は一度も行ったことがない。
一体何に魅力があるのか、良さがわからないんだよなー。
それでも、一度行ってみたいと思ったことはあるが……。


松住町架道橋

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歩いて数分で、国道17号は総武緩行線の線路とぶち当たる昌平橋交差点に達する。
この交差点の真上に架かっているのが、日本の鉄道橋の中でも屈指の完成度を誇る「松住町架道橋」だ。
当時の最新技術を結集してつくられた、トラス構造による二重アーチ橋である。


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総武線の黄色い通勤電車(E231系)が松住町架道橋を渡っていく。
この橋は秋葉原の玄関口として象徴的な存在とされ、御茶ノ水~秋葉原の境界線にちょうど位置している。
ここから道を右へ入って行けば、オタッキーなアキバの世界へレッツラゴーだ。
(自分も相当なオタクだと思うが)


神田川橋梁

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続いて、松住町架道橋のすぐ左隣に架かっているのが「神田川橋梁」。
軽快な八の字形の橋脚が特徴的で、一般に「ラーメン」と呼ばれるつくりである。
この二つの橋で、総武線は神田川と主要国道(と当時は市電も)を一挙に渡り秋葉原へと至るのだ。


4路線交差地点

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昌平橋で神田川を渡り、中央線の線路に沿って坂道を上り「聖橋」の上へ到達した。
この聖橋上から見える景色は、鉄にとって格別の風景になっている
先ほどの前置きで述べた4路線交差地点を、すぐそばで観察することができる場所だからだ。


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そら来たっ!列車3連が同時に交差する瞬間を逃さずカメラで捕らえる。
上から総武線、中央線、丸の内線と重なり、さらにこの真下の地下深くには千代田線が通っている。

この光景は案内本とかでよく見かけるけど、実際にこうして直で見ると本当に模型みたいで面白い。


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さっき観察した、総武線の松住町架道橋と神田川橋梁もばっちり見える。
丸の内線がひょっこり顔を出すのも興味深いが、やはり圧巻なのは総武線の二つの橋梁だ。


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30分ぐらい待ってみるも、列車3本が交差する瞬間は意外とやって来ない。

しばらくすると外国人が一人やってきて、私と同じように写真を撮り始めた。
外国人も日本の鉄道に興味あるのだろうか。外人のアニオタは秋葉原でよく見かけるが(笑)


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結局3本交差の瞬間は一度しか来なかったので、キリがいいところで撮影終了。
聖橋のすぐ先で御茶ノ水駅に達し、今回のプチ旅は終了となる。

御茶ノ水駅は今年で開業110週年を迎え、構内をより快適にするための改良工事が行われていた。
僅か10分の道のり(約0.8km)で、怒涛の鉄道遺産が連続するこの区間。
皆さんも、日々のちょっとした運動がてらに是非行ってみては如何だろうか。

(完結)

コメント

  1. 風旅記 より:

    こんばんは。
    記事楽しませて頂きました。
    普段電車に乗るときに意識することはありませんが、東京の各路線は、歴史の古い設備がたくさん残っており、よくよく見て回ると非常に興味深いものです。
    私も、御茶ノ水から秋葉原にかけては、学生の頃によく歩いていました。
    煉瓦造りの高架橋や、堂々たる鉄橋など、この短い区間に実にたくさんの見所があります。
    走る列車は綺麗になりましたが、線路は今も昔も変わらずに重厚な姿を見せてくれますね。
    御茶ノ水駅の工事が終われば、神田川のこの辺りならではの風景も再び見られるようになります。
    また、カメラ片手に散歩に行きたくなりました。
    今後とも、宜しくお願い致します。
    風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc

  2. なまらゆうと より:

    風旅記様、初めまして。コメントありがとうございます。

    鉄道で"古いモノ"ってなるとローカル線が連想されそうですが、それは違うんですよね。
    都心の方が歴史深い建築物が沢山残ってるし、特に御茶ノ水~秋葉原の間は鉄道遺産の宝庫!
    あの橋から秋葉原方面へ坂を下ったところにある、古めかしい煉瓦の壁が好きでした。
    最近全然行ってなかったので、工事が終わったら行ってみたいですね。

    風旅記様のブログ拝見させて頂きました。シンプルで素敵なブログですね!
    何気ない日常を切り取るセンスに脱帽です。同じような画像UPしてる自分も見習わねば…(苦笑)。
    鈍足更新のブログですが、今後ともよろしくお願い致します。

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