モノクロの大井川鉄道の風景

「日本アルプス周遊旅行 3日目 (千頭~金谷~東京)」

[2013/8/10]


今回の旅も、いよいよ終盤が近づいてきた。
このまま大井川鉄道を辿ったら、東海道本線をひたすら乗り継いで帰宅となる。


大井川鉄道 [千頭~家山]

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あぷとラインの閑蔵駅からバスに揺られること30分、再び千頭駅に戻ってきた。
復路はSLではなく普通列車に乗るが、今日走る最後のSLが駅に停まっていたので早速撮りにいく。


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C56牽引の「かわね路2号」だ。
数年前まで塗装がタイ国鉄仕様だったが、今は普通の国鉄仕様に戻っている。
戦時中に軍事用としてタイへ送り込まれ、多くの仲間が銃撃や爆撃を受けて大破したり兵士の自決とともに散っていく中、見事生き残って日本に帰ってきた凄い奴だ。


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SLを見送り、約30分後に出る普通列車に乗車する。車両は近鉄の16000系だ。
近鉄は中学の修学旅行のときにしか乗ったことがない(確か30000系だったと思う)。
ゲンコツ顔と、オレンジと紺のツートンカラーに威厳を感じる。


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特急車両なだけに座席はとても快適だ。
ゴトゴト揺れながら、のんびりと走っていく。


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こじんまりとした風情漂う抜里駅。駅周りは茶畑が広がり、日本の原風景そのものといった感じだ。
モノクロにすると、いつの時代かわからなくなってしまう。


家山駅

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一度だけ途中下車できる時間があるので、映画のロケ地としてよく使われる家山駅で下車。
駅舎は素晴らしいの一言に尽きる。少し前までは駅舎前にコインロッカーや自動販売機が置いてあったが、
景観が損なわれるとのことで撤去されたらしい。


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駅構内も独特の雰囲気だ。


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手書きの運賃表には、あちこち塗り替えられた跡がある。
かつて国鉄の列車が直通していた名残で、東海道線の運賃も載っている。


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家山駅は桜の名所でもあり、駅のすぐ横は桜並木になっている。
3月下旬になると花見客でごった返すそうだが、今は自分一人を除いて誰もいない。
駅を一通り観察した後、ホームで次に来る列車を待った。


大井川鉄道 (急行) [家山~金谷]

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しばらくして、普段は運行されない臨時の急行列車がやってきた。南海電鉄の21000系である。
臨時急行は京阪の旧3000系が充当されていることが多いが、今日は南海ズームカーでの運行らしい。


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流線型の車体が素晴らしいが、内装もすごい。座席は転換クロスシートだ。
網棚下の照明や優雅な肘掛のデザインなど、今見てもとても斬新だと思う。


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新金谷駅では、仕事を終えた機関車達が体を休めていた。


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やがて、夕方17時過ぎに列車は終点の金谷に到着した。
夕日を浴びる南海電車に別れを告げ、大井川鉄道の旅はこれにて終了となる。
記録的な猛暑に苦しんだが、そんなの気にならないくらいに素晴らしいところだった。
いつかまた数年後に、乗りに来ようと思う。


東海道本線 [金谷~東京]

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金谷からは、東海道本線に乗って東京へ向かう。
近くで起きた人身事故の影響で、ダイヤは大幅に乱れ混乱状態となっていた。
とりあえず、すぐにやってきた熱海行きの列車に乗って東へ進む。

その後乗り継いだ列車も、遅れを取り戻そうと思いっきり突っ走る。
しかし東京近くになると、列車がドン詰まりになって品川で立ち往生してしまう。
品川からは京浜東北線に乗り換えて上野まで行き、いつも通り常磐線に乗って夜23時に帰宅した。


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今回の旅は燕岳登山と飯田線と大井川鉄道をメインとしたが、旅先では常にアルプスの山々が見えた。
例によってギチギチな行程ではあったものの、計画通りに上手く乗り継ぐことができたからよかった。
何だかんだいって天候にも恵まれていたし、これまでものと比べても総じて安定感ある旅であった。

(完結)

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