いすみ鉄道の急行列車

「房総横断 2/2 (上総中野~大原~新松戸)」

[2014/3/22]


小湊鉄道といすみ鉄道を乗り継ぐ房総横断の旅も半ばに差しかかる。
小湊鉄道の気動車に揺られ、いすみ鉄道と接続する上総中野までやってきた。
ここからはいすみ鉄道に乗り換えるのだが、今回は休日限定で走ってる急行列車に乗車しようと思う。


上総中野駅

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いすみ鉄道の急行列車は「急行」とはいえ観光用途の列車なので、各駅停車よりも速度が遅い。
車両も見てくれはオンボロのディーゼルカーだ。
しかし、それでも旅客や観光客が集まる。
何故かというと、ここでは今となっては希少な国鉄型気動車が使われているからだ。

元々大糸線で活躍していたキハ52形と、JR西日本から購入したキハ28形の組み合わせ。
数年前にこの国鉄気動車が導入されてから土日の集客率は倍増したらしい。


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しばらくすると、線路の向こうから急行列車がやってきた。
“タラコ”こと首都圏色に塗り替えられたキハ52形だ。


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ピッカピカに塗りたくられたタラコ色。元々国鉄一般色だったが最近になって首都圏色に塗り直された。
鉄道マニアには賛否両論みたいだが、当初の木原線時代を再現した姿として地元では好評らしい。
到着後、予想以上の人だかりに紛れて列車に乗り込んだ。


いすみ鉄道 [上総中野~大原]

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いすみ鉄道を訪れるのは今回が初めて。
養老渓谷に行くのに小湊鉄道は既に何回か利用していたが、上総中野から先の区間はまだ未乗だ。

2008年に経営者が”鉄ちゃん社長”こと鳥塚社長に変わってから、普通じゃ思いつかない型破りな施策を次々と打ち出し、集客アップに成功したいすみ鉄道。
それまで淡白な印象すらあった三セク路線のイメージをガラッと変えた。


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小湊鉄道よりも素朴でのどかな風景の中を行く。
何もないのだが、それがいすみ鉄道の魅力なのだという。
キャッチフレーズは「ここには”何もない”がある」。それでも車内の座席は全て埋まってる。


国吉駅

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のんびりと走り続け、列車は国吉駅へ到着した。
対向列車を待つため10分間停車となる。


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この駅の正式名称は「風そよぐ谷 国吉駅」。駅構内にはムーミングッズの直営売店がある。
ホームの所々ではイメージキャラクターのムーミン一家が出迎えてくれる。


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相対式ホームの無人駅だが、今は途中下車客で賑わっている。
年齢層は幅広く、年輩の方よりもむしろ僕と同世代の人が多いぐらいだ。


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駅構内には、かつて久留里線で使われていた気動車(キハ30)が鎮座していた。
今は静態保存だが、今後動態保存車として本線上を走らせる見込みがあるらしい


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しばらくすると対向列車が来た。見かけはレトロな新型車いすみ350形だ。
外見は国鉄キハ52に似せてあるが、多客時に対応するため全席ロングシートとなっている。


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長い停車時間の後再び発車し、長閑な田園地帯をひた走っていく。
人家が多くなり、やがて左手に外房線の線路が近づくと列車は終点の大原に到着した。


大原駅

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いすみの急行列車に別れを告げ、今回の房総横断旅はこれにて終了となる。
今日は連休真っ只中で結構混雑したが、終始温かく和やかな賑わいであった。
東京から近場とは思えない本格ローカル旅をゆったり味わえたから良かったと思う。


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さて、ここからは帰路だ。自宅最寄りの新松戸まで約2時間の道のりである。
外房線ホームで千葉方面へ向かう列車を待つ。


外房線 [大原~蘇我]

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乗り換え案内で帰路を検索していると、最短で蘇我から「花摘み南房総号」を利用するという候補が出た。
何と最短ルート上に臨時快速が来るらしい。しかも最寄りの新松戸まで直行で行ってくれるという。
スマホの無料乗り換え検索アプリにしては随分親切な案内だ。

ということで、まずは外房線に乗って蘇我へ向かった。


花摘み南房総号 [蘇我~新松戸]

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そして蘇我で指定席券を買い、館山からやって来る「花摘み南房総号」に乗り込む。
最近、183/189系に取って代わりつつある185系が来た。


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南房総号の正体は館山への花摘み客のための列車で、大宮から館山までを結ぶ臨時直通快速であった。
蘇我を出ると列車は京葉線・武蔵野線と順当に経由し、あっという間に最寄りの新松戸に到着し帰路に着く。
行きもこれに乗ればよかったと少し後悔。
何だかんだいって、スマホの乗り換え案内も馬鹿にならないなと思った。

(完結)

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