「房総横断 1/2 (新松戸~五井~上総中野)」
[2014/3/22]
房総横断なんて書いちゃうと過酷で本格的な旅を連想しそうだが、実際は非電化私鉄と第三セクター鉄道を2本乗り継ぐだけのシンプルな行程だ。
小湊鉄道といすみ鉄道を乗り通すルートは一般にもよく知られていて、乗り鉄以外の観光客にも人気がある。
房総半島の中腹を西から東へ進んでいくのだが、片道約3時間半の手軽な道のりだ。
小湊鉄道~いすみ鉄道
このプチ横断旅は前々から行こうと思っていたが、昨年の大雨で小湊鉄道の一部区間が被害を受けて寸断されていたため、復旧されるまで大人しく待っていた。
バスの代行もあるが出来れば鉄道のみで横断したい。
やがて今年3月中旬に小湊鉄道の線路が無事復旧。
今日は連休真っ只中で混雑しそうだが、せっかくだし、全線開通間もないうちに房総横断することにした。
武蔵野線/総武線 [新松戸~千葉]
自宅最寄りの新松戸から武蔵野線に乗って西船橋へ行き、西船からは総武線に乗って千葉へ向かう。
西船でたまたまTDR臨に遭遇。
これが噂に聞くフリーザ列車(485系の彩)。初めて見た。
内房線 [千葉~五井]
千葉で内房線に乗り換えるが、ここからガラッと雰囲気が変わる。
それまでの通勤路線とは一変しローカル色濃厚になる。
少し前まではスカ色の113系が名を馳せ、ボックスシートでゆったり海沿いを行くローカル旅ができたが、今は味気ない209系に置き換えられてしまい、古き良き旅情が無くなってしまった。
千葉から京葉工業地帯の脇を走り数駅で小湊鉄道と接続する五井に到着。
房総横断の旅はここから始まる。
小湊鉄道 [五井~上総中野]
列車を降りると、ホーム向かい側から人懐っこいディーゼルエンジンの音が聞こえてきた。
小湊鉄道を訪れるのはこれで3回目。ここは東京から1時間足らずで来れるところだ。
跨線橋には改札がないので、ひとまずJR側ホームにある簡易Suicaにタッチする。
小湊鉄道の車両はキハ200形。国鉄キハ20系をベースにしてつくられた自社発注の気動車だ。
導入から半世紀以上経っているが、内装やエンジンは全て昔のままで使われている。
ワンマン化もされていないため、車掌さんが一回一回切符の検札と案内を行う。
見た目も中身も正真正銘ローカルなのが、小湊鉄道の魅力の一つだと思う。
2両編成の気動車に乗り込むと、やはり連休だからか乗客はそれなりにいた。
ただ昼過ぎの便なので、カップル・家族連れ主体に和やかな雰囲気が漂う。
しばらくするとエンジンを震わせ、上総中野行き列車が定刻通り発車した。
運行拠点の上総牛久まではのどかな田園の中をひた走る。
車内で車掌さんから「房総横断記念乗車券」を発券してもらう。
この切符は小湊鉄道といすみ鉄道をまるごと片道乗車できるというもので、途中下車が何回も可能である。
しかし往路のみが対象なので途中で折り返すことはできない。値段は1600円。
今の自分みたいに、特に大幅な寄り道せず房総を横断したい者にとってはお得な切符だ。
上総牛久を過ぎると風景がガラッと変わり、静かな山里の中を進んでいく。
CMやドラマの撮影でよく使われる上総鶴舞駅を過ぎる。
下車してじっくり観察してみたい駅だ。
途中の里見駅で10分間停車する。
停車時間中に期間限定で駅弁の立売が行われる。
腹が減ったので買おうと思ったら、10個限定らしくモタモタしてる間にすぐさま完売してしまった。残念、、、
終点近くに差し掛かると本格的な山間部に入り、エンジンを唸らせて急勾配を上っていく。
観光拠点の養老渓谷駅を過ぎると峠を越え、列車は快調に坂を下る。
やがて、五井から1時間強で終点の上総中野に到着した。
上総中野駅
絵に描いたような青空は、昔ながらのローカル線にふさわしい。
到着から約10分後、列車は折り返しで再び五井へ戻っていった。
上総中野の駅舎はログハウス風になっている。
華やかな養老渓谷駅と比べると、駅前は特に何もないようだ。
駅構内を観察しながら、いすみ鉄道の列車が来るのを待つ。
数十分後、休日限定の臨時急行列車が入線してきた。