[2015/1/30]
上野から千葉~茨城~福島を通り仙台までを結ぶ常磐線は、北千住~取手間で各駅停車と交わり複々線になります。
今回はこの常磐線の複々線区を生活の拠点とする人々(←自分)が、普段思っているであろう疑問や不満、よくありがちなことなどを、専ら「鉄」の視点で思いつく限り取り上げていこうと思います。
常磐線 [北千住~取手]
常磐線の複々線(北千住~取手)は元々、「通勤五方面作戦」の下に建設された区間です。
1971年の千代田線相互直通運転開始とともに複々線化され、快速と各駅停車に運転系統が分かれました。
北千住から快速・中電(中距離電車)は終点の上野へ向かい、各駅停車は地下鉄千代田線へ乗り入れます。
この常磐線複々線内の運行系統は少し複雑で説明しずらいところがあるのですが、特急以外で運行している旅客列車の種別を大きく分けると、
・上野~取手以北を走る中距離電車
・上野~取手間を走る快速電車
・千代田線内~北千住~取手間を走る各駅停車
の3つに大別されます。
複々線の4本の線路のうち、快速と中電は取手まで同じ線路・駅を辿り、各駅停車は各駅停車用の線路を走ってます。
この他にも常磐線の複々線を通る列車の種類は多岐に渡り、様々な列車が入り混じって繁華な様相を呈してます。
全長約350km(上野~仙台)に及ぶ長大幹線、常磐線の中でも一番華やかな区間といえます。
しかし華やかといっても、そこは良くも悪くも腐っても磨り減っても常磐線だけどね!
快速・中距離電車編
・酒臭い。
常磐線の代名詞的イメージがこれ。
茨城の住民は、車内で酒盛りをやるのが常態化しているためです。
取手以北へ行く中電がいずれも酒臭いのは、そのせい。
遠く茨城の地からやってきた中電の酒臭い車内は、入った瞬間「オエッ」ってなるほど酷い場合もあるから注意したいが、そもそも沿線住民はそれが当たり前のため、誰も咎めることはなく普通に利用してます。
・日中の快速と各駅停車の乗り継ぎが不便だ
常磐線の快速・中電と各駅停車はダイヤが完全に独立していて、乗り継ぎのための設定は一切されてません。
各駅停車から快速に乗り換えるとき、こっちが停車すると同時に快速が発車なんてこともザラにある。
でも、ときによっては走れば間に合うこともあるから、決して諦めてはいけません(笑)
・特別快速の存在意義とは
日中(10時~15時)に1時間1本のみの特別快速は、便利ではあるが本数が少ないため実用性に限りなく乏しいです。
元々つくばEXに対向する建前として設定された列車なので、導入当初から実用性は考えられてなかった可能性大。
・大津港行き中電が醸し出していた旅情
かつて常磐線には「大津港」という、茨城最北端のマイナー駅へ向かう下り列車が一日数本だけありました。
少し前のダイヤ改正で消滅してしまいましたが(水戸始発なら一本だけ残っているが)、
普段の「水戸」や「勝田」「高萩」とは違う行き先に、未知なる旅情を感じたものです。
………こんなこと考えてたの、ぶっちゃけ俺だけかもわからんがな。
ちなみに上野発の常磐中電の終着は、「土浦→水戸→勝田→高萩→大津港→いわき」の順に遠いです。
このうち、大津港行きといわき行きは残念ながら既に消滅済です。
各駅停車・千代田線編
・朝ラッシュ時の千代田線内の立ち往生にうんざりする
綾瀬~北千住間で常磐線各駅停車は地下鉄千代田線に入りますが、朝の通勤時間帯だと、綾瀬から先ほぼ100%の確立で列車が詰まって10~20分の遅延が発生します。
快速はあまり詰まることはないから、この実態を知ってから私は快速経由で大学へ向かうことにしました。
・常磐線各駅停車を「千代田線」と呼ぶ
常磐線各駅停車の沿線住民は、同線のことを直通する千代田線と間違えて言う人が大多数を占めてます。
不動産の広告も千代田線と案内してることが多い、というかそれが当たり前になってしまっている。
確かに千代田線って言った方がイメージは良いけど、正式な路線名は「常磐緩行線」です。
にしても、さすがに日常会話で「わかった、じゃあこれから常磐緩行で柏向かうわ!」なんて言わねえよな、絶対。
・「唐木田」って何処?
千代田線は常磐線・小田急線と相互直通してるので、その3線を一気に跨ぐ列車(取手~唐木田)も存在します。
唐木田は小田急多摩線の終着駅のことで、東京都多摩市に位置します。取手からだと2時間弱もかかる。
地元の多くの人がそうであるように、私もまだ唐木田まで行ったことがありません。
というか、普段用事なんて別にないから普通行かないんだけど。
・日中12分間隔はさすがにない(今は10分間隔)
いくら東京近郊の鈍行だからって「12分間隔はないんじゃねえの?」と前々から思ってましたが、昨年のダイヤ改正で列車が増発され、ようやく10分間隔になりました。
これはデカイ!2分違うだけでも、乗り遅れたときの絶望感が大きく違ってくるからね(笑)
鉄のためのうんちく編
・少し前まで「鉄」の楽園だった
昔から常磐線には所謂「試験車両」が多数導入され、他では見られないレア車両が沢山走ってました。
先頭二階建て車や、国鉄初のVVVF車、ドイツ製インバータ車など、鉄にとっては垂涎モノの珍車王国だったのです。
「鉄」の視点からすると、新型車両にほぼ統一された今の常磐線は全く持って面白みがなくなってしまいました。
・北千住駅2番線で流れる昔の発車アナウンスが気になる
懐かしい90年代に散々聞いた旧アナウンスが、常磐線の北千住駅2番線では未だに使われています。
北千住駅2番線は両方向の列車が入り混じるため、誤乗車を防ぐために敢えて下りのみ旧型放送が残されてるのです。
この放送を聴けば、かつて行き先を「上り・下り電車」としか案内されなかったあの頃の思い出が蘇ります。
・爆走国電103系が懐かしい
特急とペースを合わせるために、限界寸前までモーターを唸らせて走っていた快速の国電103系。
関東で103系が最後まで残ってたのは常磐快速でした。
元々103系は各駅停車用のご老体だったのに、今にも壊れんばかりの爆音で北千住~柏間を爆走していた(悲壮の)勇姿は今でも忘れられません。
・203系のガタガタドア&ジェットサウンド
少し前に引退した各駅停車203系もまた、国電103系には及ばないものの結構な爆音を轟かせて走ってました。
そして203系といえば、あのガタガタドアです。
うるさくて地下鉄内では会話が成立しなかったぞ。
晩年の203系はモーターにガタがきていたのかジェット機のような轟音を出すようになり、加速時はそのまま空に飛んでいきそうな勢いでした(笑)
まるでいいところがなく「ボロ電」と揶揄された203系ですが、何だか憎めない存在であったのもまた事実。
日常とともにあった車両だから写真撮らなかったんだけど、やっぱり引退前に撮っときゃよかったなと後悔。
わざわざ、ジャカルタへ行くわけにもいかないし……(引退後一部の車両はジャカルタへ譲渡された)
・JRと東京メトロの車両に差異がありすぎる
「21世紀の電車」と呼ばれ、省エネ電車の先駆けとして1968年にデビューした6000系は今も健在。
そしてその名車6000系と代わり新たにデビューした16000系は、流麗なデザインで好評を受けた。
これら東京メトロの車両に対し、JR側の車両はどれもこれも地味でおざなりな感が歪めない。
黒歴史の103系1000番台、ボロさが際立った203系、いまいち垢抜けない新車E233系2000番台。
仮に今主力のE233系2000番台と16000系を比べても、車内の快適性でJRはメトロに負けてる。
・松戸駅6番線の発車メロディが面白い(笑)
「パパパ、パッパ、パパパッパッパパーパパ♪」の珍妙なメロディの正体が、昔から気になってしょうがなかった。
正式名称は「SF22-14」。
サウンドファクトリー社が制作したもので、TVショッピングでも使われることがあるらしい。
メロディが個性的過ぎて、ネット上では「松戸テレフォンショッピング」なんて呼ばれていたりする。
ちなみに、この発車メロディは松戸駅6番線だけでなく、南流山駅2番線でも使われてます。
半世紀前から「鬼門」と呼ばれ、昔から確執と失敗を繰り返してきた常磐線複々線区。
新型車両の導入やダイヤ改正によって、当時からのネガティブイメージは払拭されつつあります。
しかしその一方で、緑の国電や白いやつ(415系)が走ってた頃を懐かしく思うのは私だけではないはずです。
記事は既に投稿済みですが、今後また同区間で何か気になることや変更された事柄などあったら、このリストに追加していこうと思います。